♪祝30周年のお話

♪祝30周年のお話

園長: すぎもと かずひさ

 子どもたちの笑顔と足音が保育園中を駆け巡る。悩み打ち明けるお母さんに先輩が優しくアドバイスする。よりよい保育をと職員たちが魂を燃やす。そんな営みが積もり積もって30年。当時中学生で紅顔(厚顔)の美少年?であったわたしも中年真っ盛りだ。 先日依頼があって、ある新聞にこんな文章を書いた。

 子どもたちの保育を通じて自分なりに『生きるために必要なこと』を 思い浮かべてみる。 人間や社会を愛すること。好きな遊び(生きがい)を見つけ満喫すること。なかよく生活すること。感謝すること・・・。 あらためてあげてみると『今』の自分の心の持ちようや態度を問われることばかりである。だから、老若男女、地位、名誉に関係なく『笑顔』は、誰のもとにも平等に宿るし、生涯を通じた目標ともなりうるのであろう。

 人は自分と自分との関係、自分とまわりとの関係の中で生きている。自分との関係やまわりとの関係を良好なものにしようと思えば、欠点をも含んだ自身のことや自分の価値観を越えてまわりの様々なことを受け容れるおおらかさが必要であろう。

 人それぞれの雰囲気は、空間を流れ、人に伝わる。喜びも悲しみも、時々の自分の態度や表情が伝えるのである。わたしは今どのような雰囲気を醸し出しているであろうか。福祉家はもとより、一人一人が生活をプロデュースする日常。京(今日)の巷に笑顔が舞う。 泣いたり怒ったりいろんなことはあるけれど、総じて笑顔のこころが子どもたちの歴史を彩るようにと、自分の気持ちにゆとりをおくる。多くの方々への感謝を想いながら。園庭を眺める。

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