♪笑顔の青空のお話
園長: すぎもと かずひさ
雨が落ちてきた。冷たいまばらな感触が子どもたちを躍らせる。雨宿りを促す大人の声はBGMにもならない。水たまりはきらめきながら、うなぎ屋さんの煙のように購買意欲ならぬ進入意欲をそそる。衣服のこと、帰りのこと、自覚を遠くに忘れたお構いなしの子どもたちの活躍に貸し出し用の靴は勢ぞろいの毎日だ。
不快指数を和らげる水のひんやり感や日常味わうことの少ない指の間の刺激、おもちゃで味わうことのできない活きた水の流れや土を削り運んでいく様子、調合しだいでもの創りやいろんな感触遊びの素材に変化する土。どんな年齢、どんな発達の子どもたちにも遊びの方法を問うことのないこれらの素材群が否応なしに子どもたちの興味を広げて行く。
夏の遊びを満喫した子どもたちは、あきらかに成長する。全身で素材にぶつかり、味わうことであそびきった満足感を得るからだ。あそび切ることが心を解放(ストレス解消)し、外界への興味、活動への意欲をいっそう膨らませる。また、ダイナミックな活動や感覚抵抗の薄れが気持ちをおおらかに伸びやかにさせる。膨らんだ興味やダイナミックな活動を基にした集団遊びがともだち関係を広げ、深める、などなど。
いつの時代も大人たちの理解と援助に支えられて子どもたちは豊かな経験をする。こどもの国の旗さながらの洗濯物、お迎えのときの着替えやお手伝い、それらにかかる時間と労力。毎日繰り返される子どもたちへの応援歌に笑顔の青空を見る。