♪「新たな感動へ」のおはなし
園長: すぎもと かずひさ
しあわせの具体的な体験を存分に味わった感動の卒園式。保護者のみなさんと味わった魂の通底は、決して一人では味わうことのできない、長い年月をともにしてきたからこその感動でした。
「だれもが生命を大切にし合っている」「だれもが人格と人権において平等であることを認め合っている」「だれもが互いに尊重し合い、困ったことがあるときは譲り合い、補い合い、扶け合って生きられる状態になっている」などの幸福の条件に向かって、いっしょに努力を重ねてきた結果ではなかったかと思います。
当然のことながら、みなさんそれぞれにこれまでの道のりはいいことばかりではなかったのです。ときに苛立ち、怒り、悲しんだこともあったでしょう。あるお母さんが「卒園が間近になってようやく自分の子どもが喧嘩して傷ついて帰ってきても相手のおともだちにありがとうっていうことがわかってきた。ほんまに子どもは子ども同士の中で大きくなるんやねぇ。」と感慨深げにおっしゃっていた言葉の中に少子化時代における保育園の大切な役割があります。
言葉の未熟な子どもたちは体験を通して大きくなっていきます。全身で体験するからこその具体的な学びばかりです。だから、大人に管理された活動ばかりではなく、子どもたち一人ひとりがすっかり自分自身の主人公となり主体的に活動することが尊いのです。自ら湧き出てくる自由を満喫する経験は欠かすことができません。自分のものさしを持った人間へと成長するためにです。
保護者のみなさんと手を携えながら、保育できることを職員一同、心よりうれしく感じています。新たな感動をみなさんと分かち合える日を夢見て。