「 子どもたちの未来の風 」のおはなし
園長: すぎもと かずひさ
先日、保育の実情と乳幼児保育への理解を促すために手紙を書いた。ポイントは、保育所保育における人間教育的な意義についてである。保育時間が長く、年齢が低く、今後ますます国家的に利用者が増加することが予想される保育所であるからこそ、どの施設、幼稚園、学校よりも、子どもへ愛情を注ぎ、子どもの緊張を和らげる温かな人的・物的環境「くつろぎ空間」を雰囲気づくる必要があるのです。 また、教育面においては、日常有用的なことを身につける指導のほかに、子どもたちに自分の人生を自分で生きるという感覚を獲得(主体性の育成)させるため、適当な自由を与え、意図的に子ども任せの体験をさせることがきわめて重要です。このことは主体性のない現代人が多いことからも容易に理解できることでしょう。
しかし、この保育所ならではの深慮遠謀について、今日まで充分な社会的認知を得るまでに至っていません。少なくとも社会で活躍されているみなさんには、挙ってその必要性を発信していただきたいのですが、なかには見学等の瞬間的判断や先入観で「保育所はほったらかし」「保育には教育がない」などと極めて残念な評価を与える方すら存在します。 保育所は、弱い立場の子どもたちに人間社会に対する信頼と一人一人の人生の希望を育む極めて大切な教育の場であり、その保護者は国の貴重な労働力として共働きをされています。教育・雇用の両面から見て、保育については、国の責任においてその責任を明確に謳うことは自明の理であるはずです。わたしたち保育者は、一人一人の子どもが生きるために必要な基礎的な力を培うために誰よりも子どもたちを愛し、生の共同者として対話し続けています・・・。」 子どもにとっての幸せは、コミュニケーションの質であり、あそびの質である。だから、より良い職員配置基準・面積基準を望む、子どもたちの未来の風である。
※ 先日配布しました「子どもがあぶない」のご協力をよろしくお願いいたします。