「 不死鳥から不死蝶へ 」のお話
園長: すぎもと かずひさ
去る5月14日(土)は染色家の斉藤洋さんの手ほどきを受け、年長児ゆりぐみのこどもたちと保護者の皆さんで好天の笠取の原っぱいっぱいに野染めを行った。参加したわたしたちは、人間がうぶ着から骨箱に至るまで木綿や絹などの布からさまざまな場面で数々の恩恵をいただいていること、布の行方にはその土地や人々の生活背景が綴られていること、加えて、斉藤さん自身が彼の生業とそれら布の特性を生かしてエイズによって若くして亡くなられた方々の思い出を仲間とともに畳一畳くらいの大きさの布に刺しゅうや飾りを縫い付けメモリアルキルトとして制作されてきたこと、さらに、その意義を東日本大震災の支援活動として広めようとされている意気と行動力について学ばせていただいた。彼の思いは参加者一同の共感を集め、今回染めた4分の1に相当する1m×9mのこどもたちの笑顔が鮮やかな色とりどりの木綿の布をその活動に送らせていただくことになった。
28日(土)は「三室戸・Hana花育児講座いくじーず」に先立ち平成23年度保護者会総会が行われ、今年度の保護者会長並びに各役員の皆さんが選出された。わたしは席上で、今年度の「夢の広場」を震災の義捐活動としたいこと、ゆえに、バザー・あそびコーナー・模擬店の売上金のすべてを義捐金として被災地・被災者支援活動に充てたいとの園の希望を申し出た。全役員の皆さんが快く了承してくださった。あらためて、感謝申し上げるとともに、すべての保護者の皆さんにお伝えしたいことである。
動く心に感動があり、動くところに元気が生まれる。野染めの布は犠牲になられた方々の魂を弔い表す「蝶」になるという。宇治は鳳凰の地だ。不死鳥から不死蝶へ!さあ、三室戸保育園・Hana花保育園の元気の見せどころである。