『永遠を奏でる子ども賛歌』のお話

『永遠を奏でる子ども賛歌』のお話

園長: すぎもと かずひさ

新鮮な驚きに満ちた保育園の日々。やってみたいことを素直に要求する子どもたちとその実現に向けてあそび心一杯に環境を構成する保育者との対話が新鮮な驚きを生み出す。

乳児室に寝転び子ども目線になって牛乳パックや段ボール製の手作り玩具を設置する保育士。背伸びやジャンプをし出した子どもたちの様子を見て、わざと届かないような高さにリボンや装飾を垂らす保育士。園庭でつくった泥団子や散歩で拾ってきた宝物を部屋に運び込む子どもたち。その入れ物をつくる材料を用意する保育士。子どものちょっと先に作ってはさりげなく自慢する保育士。その姿に憧れて牛乳パックに柔らかな布や綿を敷き詰め泥団子入れをつくる子ども。高級感が一気に増した泥団子と誇らしげな子どもの顔がぴかぴか光っている。仲間もうらやましくて真似をし出す。一人ひとりがその子ならではの表現を付け加えていく。このような「子ども-大人」「子ども-子ども」の相互作用が「子どもの好奇心や内発的動機付けによる遊びや能動的な学び、多元的能力に満ちた個性」を尊重した子どもと保育者の相互主体的対話型保育の醍醐味であり、ときに園のフィールドを飛び出していく。入園・進級式に着用した私の桜色のネクタイから始まった三室戸・Hana花年長児の草木染め活動は、子どもから私への手紙に始まった。森林組合に出かけての杉皮の調達。染めのおっちゃんからもらった絵本を参照しての染料づくり。それらを保存する専用冷蔵庫の設置。その染料を使った野染め体験。お泊り保育、運動会の旗づくり、子ども神輿づくり。お父さんお母さんへの勤労感謝のプレゼントづくり。クリスマス・ツリー飾りづくり。子どもアートのあちこちに子どもたちが染めた草木染めの布が生かされてきた。それが三室戸・Hana花童心のつどいにおける「ゆりぐみ野原は子ども色」と題した表現あそびに昇華されたのである。さて、いよいよみんなのき保育園の記念すべき第一回童心のつどいが開催される。3歳児きくぐみが扮する森の住人「きくみん」、4歳児ふじぐみが扮する森の忍者「ふじずきん」。このキャラクターが登場するにも保育のドラマがあった。子どもと大人が一緒になって創造し続ける保育の文化はここにも健在である。子どもとの対話が深まると子どもがわかる。人間の原型がわかる。その純真さがわかる。永遠を奏でる子ども賛歌が童心に集う。一人ひとりの子どもたちへ心からありがとう!

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