『 ちゃっちゃと築く保育の文化 』のお話
園長: すぎもと かずひさ
一日の保育が終わってほどなく、三室戸、Hana花、みんなのき、さんりん舎0、1、2歳児の担任から一斉に送られてくる10数枚の画像。画像には今日一日の子どもの様子や活動から明日の保育を創造するつぎのような説明書きが添えられている。
①「さまざまな感触あそびや衝立でのいないいないばぁを楽しむ姿がありました。また活発に室内を探索する姿があるのでベッドにスズランテープや新聞紙、広告、布等を付け、探索するたびにさまざまな素材に触れたり、いないいないばぁやハイハイを楽しみながらくぐり抜けたりできるような環境を用意しています。」
②「マットの山を少し高くし、トンネルやのれんを中央にしました。乗り越えやくぐり抜けの楽しさが高まればと思います。穴に偶然落ちた玩具をのぞきこみ取ろうとする姿から、自分で出し入れを楽しめるよう箱の深さを浅くして用意しました。」
③「ボールやペットボトルなどが転がる様子を、嬉しそうに目で追う・掴もうと手を伸ばす・追いかけるなどの姿が見られていることから、明日は、空気と素材を入れたビニール袋(大小)・カラーボール・ボール・ビーチボールなど大きさや弾み具合の異なる物を用意しました。子どもの様子に応じて、斜面や器を用意する、空気を入れたビニール袋にゴムを付け風に揺れる様を楽しんだり、囲いを用意し全身で感触を楽しんだりできるようにしたいと考えています。」等々。
活発に動く人間。動くことは楽しい。動くこと即ち喜びである。動くことは体験。動くこと即ち学びである。子どものあそびという活動を通じて、子どもの豊かな体験を願う保育者の活動も豊かになる理である。人間は動き、学びながら文化を築き、歴史を綴っていく。動く先人・先達あってこその今日の恵みを思う。
さて、いよいよ5月にはHana花保育園0、1、2歳児さんの運動会だ。テーマは去る4月24日、京都府南部の宇治市など8市町村の「日本茶800年の歴史散歩」が日本遺産に選ばれたことに因んで「ちゃおう(茶王)とおちゃめ(茶女)のちゃっちゃぱーてぃー」と名付けた。チャオと明るいお茶の王様と無邪気で愛らしいお茶目なお姫様がちゃっちゃちゃっちゃと動き回り、パーッと楽しく、ティー(お茶)で締めようという寸法だ。動く子どもと保育者が保育の文化と歴史をつくる。焦点を絞ると日々の様子が見える。子どもの笑顔と保育者の汗がきらりと光る宇治のまち。