「みんなのき~すて~しょん TeamU(てぃむ ゆう)」のお話
理事長 すぎもと かずひさ
今から30年前の竹下登政権時、各市町村に使い道に制限のない1億円を交付する「ふるさと創生事業」なるものがあった。宇治市でも市民公募が行われ、それを原資として創設されたのが、今日まで数々の優れた文学作品を生み出してきた「紫式部文学賞」である。事業公募には当時29歳だった私も提案を行った。不採用にはなったが「駅ロータリー等の宇治の玄関・顔である交通至便な場所に老若男女や障害の有無を問わず、誰もが憩い、集える場を設置し、宇治のシンボルにする」という若い情熱に満ちたものであった。
月日は流れ、「みんなのき~すて~しょん Team U(てぃむ ゆう)」の誕生である。「みんなのき~すて~しょん」はこども園の名に冠した「みんなのき」と「きーすてーしょん」をかけ合わせた。30年前の思いのままに、子どもを真ん中に誰もが憩い「良い気」が出合うコミュニティスペースのイメージである。
“Team”は読んで字のごとくチームの意と、綴りに含まれる”Tea”が特産品のお茶を表している。”U”はもちろん「宇治」の頭文字であるとともに、茶の湯の湯飲みを表している。さらに、「友」、「優」、「結」、「遊」、”Utopia(理想郷)”、さらに”You”と様々な意味が込められている。ご飯を食べるときは「いただきますのU」、お茶会を催すときは「茶のU(湯)」、歌を歌うときは「歌のU」等と用いる。
友を優しく結び遊ぶコミュニティをみんなの良い気で少しずつ醸成していくプロセスを通して、子どもや子育て途上のみなさんとの共生を模索していきたい。少子高齢化、人口減少、経済、環境問題等々、ますます困難な状況が高まっている今日である。困難な時代を迎える度に英知を結集してきた人類。限られた条件の中で新たな幸せの価値を見出す時代の架け橋としての一助となれば幸いである。
先日、「稚拙美」という言葉を私に教え与えてくださった保育の先達が天召された。子どもが描く拙い点・線・面等のすべての表現が美しいというのである。なぜか。そこには、子どもの個性が丸ごと息づいているからである。子どもの心持ちのありのままが現れているからである。それらの一つ一つに今を生きる子どものいのちが輝いて見えているからに他ならない。どんな子どもの行動も心情も愛おしく、すべてを受容したく、それらを享受できることは至上の幸せであり、喜びであると。
そんな「児童中心」の理念が宿る「みんなのき~すて~しょん Team U(てぃむ ゆう)」で一服しませんか。京阪宇治駅横です!!