『 子どもと共に行き、共に歩く人 』のお話

『 子どもと共に行き、共に歩く人 』のお話

理事長 すぎもと かずひさ

子どもは可愛い。なんでこんなに・・・、と思う。子どもから受け取るかけがえのないプレゼントである。うれしさと喜びがどんどん膨らんで心がいっぱいになる。自然、最高の保育をプレゼントしたいと思う。可愛がるという営みを通じて「安心」を育むこと。可愛い子には旅をさせるということ。旅とは「体験」のこと。自ら感じ、自ら考え、自ら行動すること。自らに由って一人一人の天才が発揮されること。その状態のことを「生き生き」ということ。生き生きと生きる子どもらが・・・、子どもと大人が・・・、それぞれに共鳴し合いつくりゆく「場」が「子どもの園」になるということ。

園生活の毎日は「豊かな出会い」である。子どもから見れば、大人や保育者は、旅先で出会う優しい人、楽しい人、すごい人たちである。今日という日はどんな一日であろう。

「優しい人」は一人一人のわがままを受け容れてくれる。悲しみも喜びも分かち合ってくれる。不安に寄り添い、あたためてくれる。願いを解り応えてくれる。

「楽しい人」は明るい。そばにいるだけで元気になってくる。表情も行動も言葉も楽しくて、俄然子どもも生き生きとしてくる。元気が勇気になり知らない間にいろいろなことにチャレンジしている。

「すごい人」は大きい。身体も心も大きい。大きいから何でもできる。お話を聞かせてくれたり、ピアノを弾いて歌を歌ったり、早く走ったり、おもちゃやご飯を作ったり・・・、そんな姿をつい真似てしまう。憧れて「大きくなりたい」と思う。大きくなりたい気持ちがより良く「生きる力」になる。

このような子どもと保育者の営みが「豊かな保育環境」を醸成する。環境は行動によってつくりゆかれる。行動は思いによって起こる。思いは愛情によって生ずる。43年の長きにわたり保育園として培ってきた子どもへの愛情のプロセス。その一つが「食育を中心とする豊かな生活の土壌」であり、乳児保育・児童発達支援事業で培ってきた「一人一人の子どもへの愛ある見守りと誰もが生き生きと自己を発揮する教育・保育の探究」である。

こども園元年。幼保連携型認定こども園は、すべての子どもを対象とする教育・保育施設である。「仕事を辞めても・・・宇治市以外の市町村へ引っ越しても・・・」継続して通うことが可能な園になる。認定こども園へ移行しても根っこは同じ。子どものそばにいて、半歩先、半歩後ろ・・・「子どもと共に行き、共に歩く人」。

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